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悪魔祓いシーンが最強にかっこいい・映画「エミリー・ローズ」感想

 

movies.yahoo.co.jp

以前にも見たことがあって最高に痺れていたのですが改めて見返しました。

ざっくりあらすじ
やり手の弁護士、エリン・ブルナーに「悪魔払いに失敗し、少女を死なせた神父」を弁護する依頼が舞い込む。
死亡した被害者は敬虔なクリスチャンでもあり素朴な女子大生、エミリー・ローズ。
ある日エミリーは大学の寮で「悪魔に取り憑かれた」としか思えない不可思議で暴力的な現象に遭遇する。
一度は精神的な病気かと思い病院へ行くものの効果はなく、悪魔に命をも奪われかねないと感じたエミリーは地元の教区神父であるムーア神父へ助けを求める。
悪魔払いをする許可をもらった神父だったが、自らも悪魔の襲撃に遭う。
それでもエミリーを救うべく、悪魔払いの儀式を遂行するもそれは失敗に終わり、エミリーの命は絶たれてしまうが…

 

ってな具合のお話なんですが、エクソシストとかオーメンみたいな単純なホラー映画ではありません。
映画の大半は法廷のシーンで、弁護士のエリンと検事側の弁護士がやりあったり、神父が弁護士に詰められたりしてることが殆どです。
全体で見ると画的には地味かもしれません。


な・ん・だ・け・ど!!!!!!!


後半にある悪魔払いの儀式が超絶好きで!!!!
頼むからみてくれ!!!!!って感じなんですね。

問題のシーンはいよいよ神父が悪魔払いをします、ってなってテープで録音を始めるところからです。
深夜3時に、意識があるような内容な状態のエミリーをベッドに拘束し、聖書の一節を読み上げる神父。
読み上げ始めるとエミリーの顔つきが変わっていき、ギリシャ語やラテン語で神父を罵倒。拘束をものすごい力で引きちぎり父親をぶん殴って窓ガラスをぶち破り逃亡するエミリー。
逃亡した先は庭にある納屋。しかも馬小屋=聖母マリアがキリストを産んだ場所。
悪魔が登場する時間は午前3時でそれは三位一体を嘲るためだとか、馬小屋を逃亡先に選ぶところとかキリスト教的な知識が多少でもあると見てめっちゃ面白くなります。
急いで追いかけていき、エミリーをみんなで押さえつけ神父がエミリーの中にいる悪魔に「Tell me your name !(名を名乗れ!)」と問いかけます。


悪魔を倒すためにはその者の名を知らなくてはいけないんですね。
名前を知ることで相手を操ったり使役できるという考え方は世界中にあって、日本でも海外でも尊い人の名前は伏せられていたし直接呼びかけてはいけない、みたいな考え方がありますね。(王様にYour highness=あなたの身位の高さ・Your majesty=あなたのご威光にと呼びかけることとかね)
本当の名前というのは神聖なものであり、それを知られることは呪われたり、意のままに操られるかもしれないという危険をはらんだ行為だったわけです。


罵倒を続ける悪魔に怯むことなく問いかけ続けるも、「1,2,3,4,5,6…」と数字をあらゆる言葉で繰り返すエミリー。
お前の名を名乗れ!!と神父が再度強い語気で尋ねると
「Names!!(和訳:一人じゃない!!)」
と叫ぶエミリー。

(神父がTell me your name と単数形で命令したのに対してnames と複数で返している=名前ひとつじゃねーよ!ってこと)
マジかよ。1人じゃないのかよ。6人なのかよ!!!!
数字数えてたのそういうこと?!!!!!
最高すぎて背筋が震えました。
「Tell me your six names!!(お前の6つの名前を名乗れ)」と神父が言うと悪魔は次々と名前を明かします。はあかっこいい。たまらん。
その6つの名前が明かされた時の絶望感たるや。まず6体も悪魔が中にいるってのが超やばいですよね。6って数字もそうだし

 

そんなこんなでややあって悪魔払いは失敗してしばらくしてエミリーは残念ながら死にます。映画はエミリーが死んで、医師と警察が検視に訪れたシーンから始まっています。
クライマックスにはエミリーが神父に残した手紙が神父によって読み上げられ、そこになぜエミリーは死に至ったのか、彼女が何を望んでいたのかということが記されています。
人の意見はともかく、私はこのシーンから「悪魔はこの世に本当にいる」って確信と、なぜ悪魔が存在しているかということに対する深い理解を得ました。
悪魔絶対いるよ。やばいよ。まじ怖いよ。でもかっこいいよ。


いや〜キリスト教的な映画ちょーおもしろいな!!キリスト教に限らずだけど宗教的なモチーフが絡んだ作品は掘り下げていくのが楽しくて大好きです。
おわり。