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旅と踊りと酒

【巡礼-8日目】自分の人生の主役になる

ポールダンスをしていると、ショーの瞬間は確実にその空間の「主役」になれる。
誰もが注目する存在。そうなるのが当たり前の仕事だから自然と注目を浴びることに慣れていき、どんな場に行っても注目されることに物怖じしなくなる(緊張はするけど)
それが仕事だと思えば人から注目されるのも悪くはない。


そんな毎日を過ごしていて、ふと「人から注目を浴びる」ことってポールダンサー以外の人だとそんなに毎日ないのでは?と気付いた。
みんな自分の人生の主役なのにね。自分が主役だって自覚が時とともに薄れていって、いつの間にか「誰かの人生の脇役」みたいなことしちゃうんだよね。
それは例えばすごく無理をして人と付き合ったり、やりたくもないことをやったり、自分を偽って生きること。誰かの人生の添え物みたいな生き方をすること。
だから意図的にいつも「自分は自分の人生の主役でありスターなんだ」って思い出せるように、自分にスポットライトを浴びせたほうがいい。
大好きなことだけに囲まれる1日を作ったり、思いっきり贅沢して自分をエスコートしたり、自分が一番輝けることをする。
それは別に人の注目を浴びる必要はない。ただ心の赴くことをする。嫌なことをしない。心の底から楽しい、嬉しい、そう思えることだけをする日を作る。

そういうのがめちゃくちゃお手軽に、行けば簡単にできちゃうのが「スペイン巡礼」ではないだろうか。
お遍路でもなくトレイルでもなく、スペインを歩いて数100キロ以上歩くってことがもう物語の始まりとして完璧でしょ。
歩いて人と出会ってロクでもないことがあったり、泣いたり笑ったり、汗かいて、ただ歩くしかない毎日を過ごすこと。
それは自分が自分の人生の主役だと思い出すためのリハビリ行為みたいなもの。
ジム・キャリーの映画「トゥルーマンショー」で主人公は、自分の人生が本当は作られたもので人から娯楽のように眺められるために過ごしているなんて全然知らない。

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 だから、真実を知って、自分の人生は自分のものだ、誰かを楽しませたり誰かのためにあるんじゃないと気付いたら、その先には無限の可能性が待っている、と思う。
本当に、比喩でなく、その先には考えつきもしない素晴らしいことが待っている。


今の私の人生も、今までだったら考えつきもしなかった素敵なことでいっぱいだ。
ありがたくて涙が出る。
何も持ってない、失うものなんてないと思っていたけど、怖くて押し入れに突っ込んでた箱の蓋を開けてみたら素敵なものがギッシリ詰まっていた、みたいな気持ち。
そういう箱の中に入ったもので今日も生きていける。