皆さまこんばんわ。
私はおっぱいちゃんって呼ばれて会社員を辞めた末に、
ポールダンサーをそろそろ10年近くやってます。
さて今日は
「ポールダンサーは接客をするべきか否かっていう話」
について書きます。
2017年12月現在、
ポールダンサーにはお金を稼ぐ手段としていくつかの選択肢があります。
※ここから先全て専業ポールダンサーの話です。
まずざっくり分けると二つ。
1.ポールダンスを人前で踊る
2.ポールダンスを人に教える
今回はこの 1.ポールダンスを人前で踊る について言及します。
人前で踊る、
という選択肢もさらにいくつかのカテゴリーに分けることができます。
1.キャバクラなどの接客を伴う飲食店で、
お客の前(カウンター越し)もしくは横で接客をして、
ショータイムの時にポールダンスをする
2.キャバクラなどの接客を伴う飲食店で、
接客は専門のスタッフが行い、
ショータイムの時にポールダンスのみをする
3.クラブでショータイムの時にポールダンスをする
4.企業などのパーティでポールダンスをする
ざっくり分けてこの4つかなあ。
私は全部したことがあります。
で、よくポールダンサーの間で議論になるのが
1.キャバクラなどの接客を伴う飲食店で、
お客の前(カウンター越し)もしくは横で接客をして、
ショータイムの時にポールダンスをする
↑これが 嫌で仕方ない ってはなし。
思わず文字を大きくしました。それくらいよくこの話は出る。
なんで嫌かっていうのは、
「なぜダンサーなのにホステスと同じことをしなきゃいけないのか?」
「キャバクラみたいな水商売をしたくない」
「接客が不得意だからダンスだけしたい」
っていうのが主な意見みたいです。
まず私がどう思ってるか書きますね。
結論から言うと、私は平気。(ノンケだって嘘をつかなきゃいけないこと以外)
地道に食っていきたいならこのスタイルから始めるのはアリだと思う。
接客が嫌いじゃないから、1〜4のどの形態でも働けます。
私はもともとポールダンスを始める前から、水商売のバイトをしたことがありました。
キャバクラの黒服、バーテンダー、ガールズバーの店員、キャバ嬢、ラウンジ、エスコートバニー、とクラブホステス以外は一通り経験しました。
ポールダンスを始めてからもキャバクラと掛け持ちしていたこともあった。
で、肝心のポールダンスも、キャバクラみたいな形態で横について接客して、ショーをするっていうスタイルのところで主に働いてました。
いろいろ水商売をやってみてポールダンスもして、このスタイルが一番稼ぎやすいんじゃないかなあと思います。
このスタイルのいいところその1、ファンをつかみやすい。
ポールダンサーも人気商売です。
もちろん、人並み外れた美しさやスタイル、神がかった愛嬌があればダンスだけで人を魅了することも十分に可能です。
ただし、相手は酒場の酔っ払い。
話したこともないオネーチャンのポールダンスを、酔っぱらった状態で真剣に、まじまじと、見てる人はあんまりいません。
見てるのは胸と股間です。
それが、事前に席についてお話ししてちょっと仲良くなっておけばあら不思議。
「さっきまで隣で普通に喋ってた子がステージで踊ってる!!」
「ダンサーなのに接客もしてくれた!!!」
「あの踊っている女の子と俺は知り合いになったんだ!!」
と、お客様は食い入るようにショーを見てくれるようになります。(当社比)
あと、それでさらに仲良くなれば、お店だけじゃなくてよそのイベントにも見に来てくれたりしますしね。
チップもくれたりしますしね。
アイドルと一緒ですね。いかに固定のファン、応援してくれる方が大切か。
そういう距離感のために接客ができるお店を選ぶっていうのもあります。
いいところその2。
接客がある店は時給が出るし平日も働ける。
これね、食っていく上でマジ大事なんですけど、
その2〜その4の仕事って、週末しか仕事が入らない場合が多いんですね。
その2接客なしの店は、ショーが必要な時(=お客さんがたくさん来る日)しか呼ばれなかったりする。
その3クラブは言わずもがな、週末が一番盛り上がりますよね。
その4に至っては単発のお仕事。毎週あるわけでもない。
ってなると、平日どうすりゃいいんですか?って話です。
もうざっくりぶちまけますけど、ポールダンサーの一回のギャラって1万〜2万くらいです。それとは別に、お客さんにもらったチップを全額持って帰ります。
企業とか大きなパーティーで予算のある案件で3〜10万くらいかな。
私がもらったギャラで一番金額が大きかったのは一晩10万円、チップ別、宿泊交通費支給、ってのでした。もっともらってる人もいるのかなー。
そうなると、一回1〜2万のギャラで週末だけ…ってのがどれだけ無理ゲーかわかりますよね。
そんなんじゃ到底暮らしていけないし衣装も買えない、体バキバキなのにマッサージも行けねえよ、ってなります。
なので、週末はクラブやパーティの仕事を、
平日は接客ありのショークラブで働くってのが収入的に一番安定するんです。
「来月はショークラブの給料でこれくらいもらえるなー」ってのがわかってると気持ちに余裕もできますしね。ああ、家賃払えるわあ、とか思います。
クラブのイベントも、突然クラブが摘発されて仕事がなくなっちゃったりするので、やっぱり平日安定して稼げる場所が必要なんですね。
いいところその3、横のつながりができる。
これは他の現場でも共通して言えることではあるんですが、一応書いとく。
ポールダンサーの世界はとても狭いです。
知り合いの知り合いはみんな知り合い。
現場が一度かぶれば顔見知りになります。
どこのスタジオで誰々さんに教わってる何々ちゃん、こんな髪色で、こんな衣装で…とか説明されればすぐにわかります。
そういう横のつながりが新しい仕事を運んできます。
自分に依頼されてこなしきれなかった仕事を振り分けたり、その逆も然り。
仲の良い子が多いのに越したことはないわけです。
というか、嫌われたら終わりです。仕事もらえなくなります。
連絡が遅いとか遅刻が多いとかはもってのほかです。
ある意味、ポールダンスの上手い下手よりも人間的な部分が大切です。
ポールの技術は練習すれば確実に上達しますが、人間性はそう簡単には変わりません。
さていいところばっかり書いたので悪いところも。
悪いところその1
接客が疲れる
このスタイルが嫌だって言ってる人にとってはこれが全てだと思います。
水商売やったことない、ダンスは好きだけど接客には抵抗があるって人にとっては地獄みたいなものでしょう。
なんで好きでもない知らないおっさんとニコニコ話さなければいけないのか?
なぜ面白いことを言わなければいけないのか?
なぜいやらしい話や失礼なことを言われても笑って受け流さなければいけないのか?
そりゃそうだよねー。思うよね。わかるわかる。
わかるけど時給もらってるからなあ、くらいの気持ち。
悪いところその2
お酒を飲まなければいけないので体に良くない
これは人によるかなあ。お店にもよると思うし。
ただ、ショークラブは結構お酒飲めてナンボみたいなお店もあるので。
シャンパンをボトルごと一気飲みしたり(半分くらい)、
ウイスキーを同じくボトルで一気飲みしたり(すぐ吐いた)、
イエガーのショット10杯連続飲みしたりしてました。
正気の沙汰ではないです。今はそういうことはしていない。
飲んで踊って怪我したとかも聞きますしね。良いことではない。
さてさていろいろ書きましたけど、じゃあこの接客スタイルが心底嫌いなポールダンサーはどうやってお金を稼ぐの?ってことです。
・頑張って接客がないショークラブに入ってダンスのみを頑張る(バーレスク東京とか?)
・週末のクラブイベントに出演しつつポールダンスのインストラクターをする
・大会などで優勝しネームバリューを提げてギャラの大きい仕事をする
・ポールダンススタジオを設立して経営者になる
このくらいですかね。
つまるところ、
めちゃめちゃダンスうまくて容姿端麗で
人に教えられるくらいのコミュニケーションスキルがあって
この人に教わりたい!!って思われるくらいのカリスマ性があって
大会などに積極的に出場して優勝していて
経営にものり出せるくらいの頭の良さやモチベーションがあったら
接客とかしなくてもいいポールダンサーになれます。
私はダンスだけしたい、接客なんてしたくない。
こういう風に言ってるポールダンサーをちょくちょく見かけますが、その人がよほどの人格者・カリスマ性を持ち合わせた素晴らしいポールダンサーだったら納得。
そうじゃないのに「接客はホステスがすればいい」とか言って接客行為を見下してたら、はっきり言っていい気はしないかな。
ホステスさんが接客してくれてるから、お客さん呼んでくれてるからあなたのショーをお客さんが見てくれるんですよ。
私たちポールダンサーは一人では踊れないんです。
見てくれる人がいるから踊れるんです。
だから見てくれるお客さん、そのお客さんを呼んでくれるホステスさんやクラブに頭が上がらないはずなんです。
自分の踊りだけでギャラをもらってる気にならぬよう心がけています。
そういう驕りがなく、単に接客が苦手だからと言う理由で、研鑽を怠らずに、自分に合う場所を選んで働いている人もたくさんいます。
自分がやりやすいお店やスタイルで楽しく踊って稼げるのが一番良いですね。
接客するべきか否か、そんなのは人それぞれ。
安定して稼ぎたかったり水商売も悪くないと思えるなら、接客ありのお店に行けばいい。
己を磨いて人に教えたり、技術や容姿を高めてより有名なお店に行くもよし。
ただし、自分の実力でその場所にいるくせに、望む場所へ到達するための努力を怠って、文句ばっかり言う人に未来はありません。
ポールダンスの世界は弱肉強食、というよりもやったもん勝ちなのだと思います。
頭一つ抜きん出た人でも、突然ポールダンスを辞めてしまうこともある。
それは女性ならではの問題で、結婚したり妊娠したりっていうどうにもならない事情だったりします。
そういう時に、自分自身でどこまでポールを続けるか、たとえ一時中断しても戻ってくる気があるのか。
この世界でしぶとく生き延びる気概が自分の中にあるかどうか。
そういうことを常に自分に問いかけ続けられるかどうかが、ポールダンサーとしての在り方に関わってくるのだと思っています。
結局のところ、大会で優勝しようが、有名なお店で働こうが、辞めたら終わりです。
一瞬で消えていきます。
100パーセント満足できなくても、何の大会にも出てなくても、続けていることが何より大事。
一番のライバルは自分自身のモチベーションなんだな、これが。
何もかもやったもん勝ちの世界で、私は私だけの土俵を作るのに奔走しています。
来年はどんな面白いことができるかな。
どんなステージに立っているかな。
とりあえず、今日も筋トレして寝よ。
おわり。