今夜、どこで寝る

旅と踊りと酒

【巡礼-3日目】解けない魔法をかけて

もう自分には何も捨てるものなんてないと思っていた。失うものは何もないから、こわくもないし痛くもない。自分1人で歩いていける。誰のことも、欲しいなんて思わない。

そう本当に思っていたのに、また、またしても、失いたくないと思ってしまった。彼女できちゃったんすよねー。

捨て鉢な、気分は野垂死に寸前、良くて西遊記、悪けりゃ死に場所を探しに行くような旅へ2ヶ月もゆくのに。すげえタイミングだ。

帰ってこれなくてもいいと思っていた。自分のことを誰も知らない場所へ行きたい。自分のことなんて忘れて欲しい。誰もかれもがわたしのことを忘れて、ゼロからまた這い上がれるかな、血まみれになっても生きていけるかなと考えていた。

でも今は、帰って来たくなってしまった。帰って来て欲しいと、思っていてほしい。

出がけに、帰ってきて、待ってるからと言ってほしいと泣きながら懇願した。私が絶対に帰ってこれるようになるはずの、解けない魔法をかけてもらった。何度も。どこの誰よりも、この世界にいる誰よりも強力な魔法をかけてくれる人だ。きっと効く。

その言葉があれば、生きて歩ける。

【巡礼-5日目】アルベルゲ不毛地帯

私の歩く予定のカタルーニャの道は、あまり人気のないマイナールートのためか、アルベルゲが少ない。

調べた限り最初の数日間ですでに普通にホステルかホテルに泊まる日がありそう。

ルートに関してはこのサイト

https://www.gronze.com/camino-santiago-catalan

それからGoogle mapを駆使しているのだけど、まずモンセラットを出て29km、1日目に宿泊予定のイグアラダ。ここはアルベルゲがある。

イグアラダから次のla panadellaまでは22km。

しかしアルベルゲがないらしく、カタルーニャの道を行った方はイグアラダから6kmくらいの場所にあるアルベルゲに泊まったそうだ。

ペース的にはla panadellaに行っておきたいのでこの日は多分ホテル泊。

次のterregaもアルベルゲ無し。

その次のEl Palau d'Anglesolaもアルベルゲ無し…。

カタルーニャの道、公式通りに歩くとアルベルゲ不毛地帯。

多分、途中で短めのコースを歩いて調整すればうまいことアルベルゲに泊まれそうなんだけど…

とにかく情報がない。

今後この道を通りたい人のために、一応逐一アルベルゲがあるかチェックしながら歩いて行こうとは思う。

フランス人の道に合流してからはそのような不安もなくなりそうなので、そこまではトライアンドエラーの日々になりそうです。

【巡礼-6日目】持ち物

自分メモ用持ち物リスト

 

 

 色が好きで買った。
 

 全く同じやつじゃないけどやっぱりポールワーズのこれ。

ブラとパンツ 2セット(一セットは身につけてく)
靴下2足(1足は身につけてく)
Tシャツ1枚
長袖2枚(1枚は身につけてく)
UV帽子
だらだらするようのマキシワンピ1着
レギンス1着
ウエストポーチ(ここに携帯や日焼け止めを入れて腰に装着)


薬・ヘアケア・スキンケア

ヘアオイル
空のシャンプーポンプ250ml(スペインでシャンプー買って詰める)
日焼け止め4種(アネッサなど効きそうなやつ)
ヴァセリン
スクワラン入り化粧水
アイブロウパウダーとペンシル
お気に入りのマニキュア2種

 

コイズミ ヘアドライヤー タイニー 海外対応 ブラック KDD-0016/K

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 吉と出るか凶と出るか。



ロキソニン
イブプロフェン系の頭痛薬
ビオフェルミンS
ものもらい用の目薬
葛根湯
スミルチック(筋肉の炎症を抑える塗り薬)
湿布
生理用品

 

その他

 

 充電 is 大事。これを2個。

2個USBがさせるACタップ×2
軽い延長コード
C型コンセント×2
iPad mini
iPad mini用bluetoothキーボード
iPhone6s
各種充電器
bluetoothイヤフォンと普通のイヤフォン1つずつ

 

SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 III 光学2.9倍 DSC-RX100M3

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床や庭などでストレッチする用のビニールシート
洗濯バサミ(紐がついてるやつ)
雨具
耳栓とアイマスク
プラスチックのS字フック3個
コンタクトの替えと洗浄水
メガネ
箸とフォークとスプーン
ダイヤルロック
軽量速乾タオル大小1枚ずつ
歯ブラシ
ヘッドライト

和食が恋しくなった時用に
フリーズドライの味噌汁・スープ
明太子スパの素


【巡礼-7日目】譲れないこともある

例えそこがネオンがひしめく猥雑な都会でも、虫の声と星のさざめきしか聞こえない離島でも、灼熱の平地でも、譲りたくないことはある。

それはスキンケアとヘアケアです。

 

明日あたり巡礼の持ち物整理して公開したいのですが、とにかくスキンケアグッズとヘアケアグッズだけはできる限り諦めたくないなと。

主に日焼け止めとヘアオイル、あとドライヤーなんですが…特にドライヤーは持っていかない人が大多数らしい。

しかし、しかしだ。私はロングヘア。最近カット行ったばっかりのツルツルピカピカ。

いくらカミーノに行くとはいえ、肌とか髪とか蔑ろにしていいわけがない。

1000km歩き終わって、やったー!ってなったあと肌とか髪がガサガサのボロボロだったら最悪じゃない?そのあと必死こいてケアするのか?

違うね。毎日のケアだね。

というわけでそこに関しては重量を問わず持っていく所存。

しかし、意外と荷物がコンパクトにまとまったおかげで、その辺のものを追加しても多分6kgくらいでおさまりそうなんだよなぁ…

【巡礼-8日目】自分の人生の主役になる

ポールダンスをしていると、ショーの瞬間は確実にその空間の「主役」になれる。
誰もが注目する存在。そうなるのが当たり前の仕事だから自然と注目を浴びることに慣れていき、どんな場に行っても注目されることに物怖じしなくなる(緊張はするけど)
それが仕事だと思えば人から注目されるのも悪くはない。


そんな毎日を過ごしていて、ふと「人から注目を浴びる」ことってポールダンサー以外の人だとそんなに毎日ないのでは?と気付いた。
みんな自分の人生の主役なのにね。自分が主役だって自覚が時とともに薄れていって、いつの間にか「誰かの人生の脇役」みたいなことしちゃうんだよね。
それは例えばすごく無理をして人と付き合ったり、やりたくもないことをやったり、自分を偽って生きること。誰かの人生の添え物みたいな生き方をすること。
だから意図的にいつも「自分は自分の人生の主役でありスターなんだ」って思い出せるように、自分にスポットライトを浴びせたほうがいい。
大好きなことだけに囲まれる1日を作ったり、思いっきり贅沢して自分をエスコートしたり、自分が一番輝けることをする。
それは別に人の注目を浴びる必要はない。ただ心の赴くことをする。嫌なことをしない。心の底から楽しい、嬉しい、そう思えることだけをする日を作る。

そういうのがめちゃくちゃお手軽に、行けば簡単にできちゃうのが「スペイン巡礼」ではないだろうか。
お遍路でもなくトレイルでもなく、スペインを歩いて数100キロ以上歩くってことがもう物語の始まりとして完璧でしょ。
歩いて人と出会ってロクでもないことがあったり、泣いたり笑ったり、汗かいて、ただ歩くしかない毎日を過ごすこと。
それは自分が自分の人生の主役だと思い出すためのリハビリ行為みたいなもの。
ジム・キャリーの映画「トゥルーマンショー」で主人公は、自分の人生が本当は作られたもので人から娯楽のように眺められるために過ごしているなんて全然知らない。

トゥルーマン・ショー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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 だから、真実を知って、自分の人生は自分のものだ、誰かを楽しませたり誰かのためにあるんじゃないと気付いたら、その先には無限の可能性が待っている、と思う。
本当に、比喩でなく、その先には考えつきもしない素晴らしいことが待っている。


今の私の人生も、今までだったら考えつきもしなかった素敵なことでいっぱいだ。
ありがたくて涙が出る。
何も持ってない、失うものなんてないと思っていたけど、怖くて押し入れに突っ込んでた箱の蓋を開けてみたら素敵なものがギッシリ詰まっていた、みたいな気持ち。
そういう箱の中に入ったもので今日も生きていける。

【巡礼-9日目】手紙を書くために旅に出る

 

旅先から手紙やポストカードを書くのが好きだ。
いつもは言えないことも言える気がする。
いつもより良い文章を書ける気もする。
非日常の中で、歩くことだけ考える毎日で、何かをごまかしたり嘘をついたりしなくていい日々で、素直な気持ちだけ持っていたい。
本当のことだけ言いたいし書きたい。

なかなか現代社会で、住所を知っている友人がそんなにいないなあと思った。
電話やメールはいくらでもできるけど、手紙や年賀状を送るってあんまりない。
昔は送っていたけど。
自分も手紙をもらうと嬉しいから、この旅ではたくさんのラブレターを書きたい。
一方通行の愛のしるしを灼熱のメセタから送りつけてやるのだ。
とても楽しみ。