常日頃から友人・知人に、コンセントとWifiは基本的人権に含まれていてほしいよ、と言い続けているけどそれにはちゃんと理由がある。
もしもこの世にインターネットが、SNSが、ブログがなかったらとっくに私はこの世にいない。もしくは文章を書くという行動に至っていない。
インターネットへの感謝も含めて、忘れないように書き記しておく。
前略、義理の父親に、幼少期わりとしっかり虐待されて育った。
肉体的に一番辛かったのは煙草を押し当てられるやつだろうか。(幸いにも痕はない)
その他殴る蹴る、真冬の室外に放置、ありとあらゆる罵倒などのフルコース。
ストレスで食事を受け付けなくなり、食べても吐いてしまい、それを見つかるとまた殴られる。
肩の上まで担ぎ上げられて、床に思い切り叩きつけられることもよくあった。彼の得意技だったと思う。
ある時、顔面を思い切り殴られて勢いで壁まで吹っ飛んだことがあった。その際に目の上にかなり大きなコブができてしまい、母親に虐待の事実が露見しそうになった。義父は庭で転んだと母に言ったが、耐えきれなかった私は母に真実を告げた。
母が真実を知ったことと、私も成長し家にあまり寄り付かなくなり、義父も歳をとったせいか年が経つごとに脅かされることは無くなっていった。
それでも同じ家にいる間は緊張しながら過ごしたし、殴られないようにということに優先度を置いて生活していた。
しかしそういった肉体への虐待より何より辛かったのは「感情を制御」されることだった。
笑っても怒鳴られる、泣いてもダメ、楽しそうにしていたら「調子に乗るな」と言われた。鼻歌を歌ったりはやりの曲を口ずさめばうるさいとすごまれる。
私はどんどん表情を失っていき、高校の時にはバイト先で「鉄仮面」と呼ばれていた。全く笑わないし顔がカタい感じだからとのことだった。
本来であれば一番リラックスし、なんでも話せるであろう家庭の中で、自分の本当に思っていることを何も出せないというのはとてつもなく辛い。
ともすれば鬱になったり、もしくはものすごくグレてもおかしくない状況で、かろうじて生き延びることができたのはネットがあったおかげだ。
自宅に導入されたPCでネットゲームをしたり、ブログやのちに出てきたmixiに思いの丈をぶちまけ続けた。毎日毎日、かなりの長文を書き綴った。
ゲーム仲間とオフ会をするためにバイトをして遊びに行ったり、その後twitterに登録してtwitterでもたくさん投稿した。
感情を出すと怒られる。何か口に出すと殴られる。それを幼少期から刷り込まれ続けたおかげで、私は自分の口で話すことがとても苦手になってしまっていた。
その頃学校の人間関係でもうまくいかないことが多く、リアルなコミュニケーションを恐れるようになっていた。
だからネットがあってちょうどよかった。
自分の思うことを、まずは一方的に語ることができる。
自分はこんな人間で、こんなことを考えていて、こういう風に生きている。
こんなことがあって、楽しかった、悲しかった。嬉しく思った。嫌だった。
ありとあらゆる自分の感情を、口に出せないがゆえにネットの海に放流し続けた。
そういう私という人間の残骸を見て、面白がってくれたり、書いた文章を良いと言ってくれる人と仲良くなって遊ぶのはすごく気が楽だった。
最初から全部知ってもらっておいて、私も相手の書く文章を読んでいると安心する。
twitterのような短文でもブログでも、やはり書く文章にはある程度その人の人柄なり何かがにじみ出ると思う。
良い文章・面白い文章を書く人と自然と親しくなり交流するようになっていった。
やはり私は「言葉」が好きだ。
言葉で表せること、表したいのに表せない時のもどかしさも、決して完全ではないツールとしての文章表現をやめられない。
そう思うようになった過程には、まだ笑って話せない過去も含まれているけれど、文章を書くことをやめないで良かったと思う。
インターネットがなかったらこんな風に長文を書くこともきっとなかった。
家庭に居場所がなくても、報われない恋をして苦しくても、ネットの向こうにはいつも誰かがいた。
ヴァーチャルではあるけど居場所があった。
読んでくれる誰か、顔は見えないけれどレスポンスをしてくれる人がいるから、ずっと書き続けられるのだと思う。
ずっとずっとインターネットに救われている。
そしてその向こうにいる見ず知らずのたくさんの人たちに。
自分のために書き続けた言葉でも、巡り巡って誰かの心に届いたなら、それが何より嬉しい。
今日も元気にwifiとコンセントのある場所で生きていきます。
おわり。
いま虐待されている人へ
私は殴られながら育ち、どうやってそこから逃げていいか分からないまま19まで実家にいて、その後バイトをいっぱいして海外に留学をしました。
遠くに逃げることで自分の心と体を守りました。
いまは幸いなことにインターネットがあるのでいくらでも情報が手に入ります。
アドバイスをしてくれる人もいるでしょう。
何よりも大切なのは自分の心と体を守ることです。
逃げて、生き延びて、いつか笑って会いましょう。
役に立ちそうなリンクを貼っておきます。